おおぐち観鋭桜
~今よみがえる古来の桜~

木こり2プロジェクト

 
 平成26年、大口北保育園建て替えを検討していた際に、タイム技研株式会社が、保有林の立ち木を提供したいと申し出があり、そこへ参画する団体として町職員の「木こりプロジェクト」が立ちあがった。
 その後、大口北保育園完成で終了した木育や、まちのシンボルである桜保全活動を継承するため、平成29年に、「木こり2プロジェクト」が発足した。
 現在、定期的にプロジェクト会議を行い、大口町内の学校をはじめとする各施設への植樹などを通して、桜保全活動のPRを行い、地域で活動する桜保全団体、大口町環境を守る会の皆さんと協力して、五条川堤への桜の捕植を実施している。

s-桜1
s-桜2
s-老木1
s-老木2
s-老木3
s-老木4
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大口町の桜並木の現状

 五条川堤の桜並木は、昭和28年の五条川改修完了を機に、大口町の初代町長、社本鋭郎氏をはじめとする先人たちが、当時純農村地帯であった大口村に魅力が必要であるという、郷土への思いによって始まった植樹が起源。その後、まちのシンボルとして「日本さくら名所100選」に選ばれるまでに至った。しかし、毎年素晴らしい景色を見せてくれている一方で、植樹から60年~70年が経過し、ソメイヨシノの寿命と言われる時期を迎えている。

s-津島社1
s-津島社2
s-桜塚古墳
s-諏訪神社
s-諏訪神社2
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100年を超えるDNAを受け継ぐ

 大口町には100年以上前から咲いている桜がある。この桜をDNA鑑定したところ、エドヒガンの分類であり、さらに他に同じDNA登録がない、固有種である事が分かった。
 エドヒガンは、現在の五条川堤の桜、ソメイヨシノに比べて寿命が長いことが特徴であり、大口町では、「大口町古来種の桜」を保存できないか検討を始めた。
 そして、平成28年、その中でも比較的生命力の強い諏訪神社の桜から採取した細胞をクローン培養して、苗木を育てる取り組みを始めた。

s-小さい苗
s-苗たくさん
s-クローン苗
s-大きい苗
s-そだった苗
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次の世代に桜並木を残すために
「おおぐち観鋭桜」

 平成20年、大口町NPO登録団体「わくわくおおぐち21」の呼びかけにより、五条川の桜の寿命を少しでも永らえるために、堤防の下草刈りなど、桜の育成の環境を整える活動が、住民団体によって自主的に始まった。現在、その活動は、想いを持った住民有志によって、大口町内五条川のほとんどの流域に広がっている。
 次の世代にも素晴らしい景色を残すために育てられたクローン苗木は、五条川堤の桜並木の生みの親である社本鋭郎氏に敬意を表して「おおぐち観鋭桜」と名付けられ、令和元年には400本が育成され、令和2年より、木こり2プロジェクトが中心となり、植樹を始めている。

s-満開だ
s-町長植樹
s-桜塚古墳観鋭桜植樹
s-小口城
s-五条川
s-五条川2
s-堀尾跡公園の桜
s-➁大中作業
s-植樹2
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「まちの桜のこれから」

 大口町では、平成24年、福玉精穀倉庫・福玉米粒麦・福玉株式会社の3社より、桜保全事業に対する指定寄付を受けたことから「大口町桜咲く基金条例」を制定し、合わせて五条川の年間通水の研究と、五条川堤の桜並木の保存を検討するため、「五条川 水と桜のプロジェクト」が発足した。
 この取り組みはその後、大口町古来種のクローン苗育成事業と共に、「木こり2プロジェクト」が引き継いでいる。
 大口町は、今、当たり前のようにある五条川堤の桜並木及び神社などの桜並木の風景を、将来に引き継ぐため、地域の住民と協力してその保全活動に取り組んでいる。そして、ソメイヨシノの寿命を時代の節目ととらえ、それが枯死した場所や公園などにおおぐち観鋭桜の植樹を進めることで、ソメイヨシノの後継として「おおぐち観鋭桜」が、町民の皆様に愛されるように努めている。