引き継がれたものを継承していくことが役割

上小口伝統芸能保存会

会長 藤川ふじかわ 富之とみゆきさん
 平成14年に、町政40周年を記念して結成され、令和7年で24年目を迎えた。現在、メンバーは40代から80代までの11名で、令和7年に女性1名が加入した。
 地区の夏祭り(輪くぐり)と秋祭りにお囃子を奉納するとともに、春に堀尾跡公園で行われる金助桜まつり、秋には多世代が集う広場で行われる伝統芸能発表会でもお囃子を披露している。


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大切なことは継続した練習

 練習は月に2回、第1と第3日曜日の夜、上小口学習等供用施設で行う。篠笛と大太鼓、小太鼓の音色やリズム、テンポなどの調整をしながら合奏練習をしている。
 「太鼓と笛を合わせるためには継続した練習が大切です。」と、藤川さん。現在は、「道行き」、「雨降り」、「クロエ」、「宮入り」、「神事祈みことのり」の5曲の練習を重ねている。
 最近、高い音が出る笛に変更したため、練習では何度も、音の高さや調子の確認が行われている。
 そうした熱の入った練習風景からは、伝統芸能に向き合う真剣さが伝わってくる。



地元に根づくお囃子の音色

 練習したお囃子は毎年、地元白山神社での夏祭り(輪くぐり)で奉納される。また、10月に行われる上小口区の秋祭りでは、地区内を1時間半ほどかけて練り歩く獅子屋形に合わせてお囃子が演奏され、祭りを盛り上げる。
 まちにお囃子の音色が響いてとても賑やかで楽しく、子どもたちが間近に聞く本物の演奏は貴重な体験だ。
 「録音ではなく、実際に演奏することに意味があります。」当たり前のように地元に根付くお囃子の音が、改めてとても大切なものだと感じる。



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獅子屋形は上小口の宝

 「獅子屋形は上小口の宝。先輩から引き継いだものを守り、継承していくことが私たちの役割です。」と語る藤川さん。
 令和6年4月の金助桜まつりでの伝統芸能発表会後の帰り道で、獅子屋形が転倒し破損してしまった。メンバーで協力して仏壇店を探して修繕を依頼し、何とか秋祭りに間に合ったという苦い経験をもつ。
 その際、獅子屋形の修繕を依頼した仏壇店に、口をそろえて「とても素晴らしい獅子屋形ですね。」と言われ、その価値を再認識したと言う。
 その後、横幕や提灯も新調され、期せずして化粧直しをした獅子屋形は、これからもお囃子と共にお祭りを盛り上げてくれるだろう。

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次世代への継承を願う

 伝統芸能の継承は簡単ではない。譜面だけでは読み取れない節回しや、太鼓のタイミングを、録音を聞いたり、動画を撮って指使いを真似したりしながら受け継いでいく。
 他の地区も同じだが、後継者不足が悩みで、体験会を開いたりするものの、いざ入会となると敷居が高いと感じられてしまうようだ。
 結成当初から所属する仲間は、現在5名。技術をもった方が次の世代に伝え、この素晴らしい伝統芸能が絶えないよう、守られていくことが願われている。