意欲あふれる先進ぶどう園

太田ぶどう園

太田 寛樹さん(右)
太田 めぐみさん(左)
 大口町内でぶどうを生産し、販売する「太田ぶどう園」。8月上旬から9月中旬にかけて、直売所(竹田二丁目95番地)には、とれたての宝石のようなぶどうが並ぶ。
 開業は令和2年の7月。夫婦二人で経営し、令和7年現在は11種のぶどうと4種の桃の生産・販売を行っている。



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大口に引っ越してきた若い農家

 寛樹さん、めぐみさんのお二人とも、出身は大口町外。当時大府市のぶどう農園に勤務していた寛樹さんが独立を考えいろいろな方へ相談をし、ご縁を得た先が大口町。引退された方からぶどう園と「地域の方に喜んでいただけるぶどうを作る」というモットーを引継ぎ、新鮮でおいしいぶどうを地域へ届けている。
 「前の経営者とは交流が続いており、例えば機械の調子が悪いと相談すると、それはこの方に聞けばいいよと連絡を取ってくださり、その方が修理に来てくださる。大口町の人は温かいですね。」と寛樹さんは語るが、近所の方と交流し、地域活動にも参加するお二人はすっかり地域の一員だ。





作業中の寛樹さんとめぐみさん
笠かけをされたぶどう
袋かけをされたぶどう
粒抜きの時期のぶどうのサイズイメージ
共に作業を進めるパートさん
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多彩なぶどう

 ぶどうは品種により色も紫・黄緑・紅色と多様で、粒の大きさや収穫時期も様々。季節雇用のパートさんの力を借りつつ、現在は11種、将来的には約20種を生産・販売する見込みだ。育て方も多岐にわたり容易ではないが、パートさんたちと和気あいあいと作業が進む。余分な粒を小さいうちに間引く「粒抜き」では、「粒が小さすぎてみえないわ」「老眼鏡かけて来てください」と冗談や笑い声も飛び交う。
 多くの品種を育てる理由は、収穫の時期が広がりお客様へ長い期間ぶどうを提供できるから。「1、2種のみだと面白みに欠ける」とも語るお二人は、多様な品種を取り扱うこと自体を楽しみ、常に挑戦し続けながら農業に向き合っている。



ベニバラード
クイーンセブン
サマーブラック
黄玉
白鳳
ロゴマーク
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おすすめの品種は

 シャインマスカットや巨峰は定番で人気だが、めぐみさんの一推しはベニバラードという品種。シャキッと引き締まった実の食感と、さっぱりとしたりんごのような風味が楽しめる。寛樹さんが「一度食べてほしい」とおすすめするのはクイーンセブン。粒は小さめだが、生で食べるぶどうで現在一番糖度が高くなると言われている品種だ。
 また、ぶどうより一足先にシーズンが来る桃についても、現在は4種だが将来的には23種ほどまで増やす予定だ。寛樹さんは農業大学校で桃を専門に勉強していたため、太田ぶどう園は桃も非常に美味しい。園のロゴマーク中の淡いピンク色の菱形三つは、実は桃の形となっている。



イベント時に掲示する手作りの看板
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農業を生産で終わらせたくない

 開業当初はコロナ禍のさなかだったが、近年はおまつりなども再開されているため、商工会主催の「夏のふれあいフェスティバル」へ令和6年から出店している。「大口町がすごく活気のある町だと気付けた」とお二人は語る。
 また、「生産だけにとらわれないことをしていきたい」と意欲溢れる言葉も。具体的には、袋かけ作業などの体験サービスの提供や、失敗談なども含めた自身の経験の情報発信、ぶどう・桃の加工品の商品化などを考えているようだ。「やりたいと思っていることがたくさんあります」と語るエネルギッシュな若手農家から目が離せない。


>太田ぶどう園公式ホームページはこちら
(ぶどう・桃ともにホームページ内のオンラインショップから購入可能)